【第14回文化庁メディア芸術祭】作家トーク:エンターテインメント部門審査委員会推薦作品『100万トンのバラバラ』池田 佑基

日時:2月5日(土)12:00-12:45(国立新美術館2F企画展示室2E ソーシャル・メディア・ラウンジ)
出演:池田 佑基、寺島 誠一、中塚 健太、小島 英士

5433391638_5a31fc2133_o.jpg 左から、中塚氏、寺島氏、池田氏、小島氏

町を襲う巨大な空飛ぶ戦艦を、人間たちを操ってバラバラに切り落とすアクションゲーム『100万トンのバラバラ』。大きさも形もさまざまな戦艦の来襲に立ち向かう際、「撃ち落とす」のではなく「解体する」という意外なアイデア、またそこで得られる新しい爽快感が魅力です。童話や絵本のような可愛らしい世界観も独特で、多くのファンを獲得しました。

この日は池田佑基氏(ディレクター)、寺島誠一氏(キャラクター・ワールドデザイン)、中塚健太氏(ユーザインタフェースデザイン)に加え、小島英士氏(「PlayStation®C.A.M.P!」プロデューサー)も出演し、作品ができるまでのヒストリーをお話いただきました。

本作は、斬新なアイデアを持ったクリエイターを発掘し、ゲーム制作に必要な環境・技術の提供と支援を行うことで新しいソフトを開発するプロジェクト「PlayStation®C.A.M.P!」(Creator Audition Mash up Project!)から生まれたものです。

もともと特殊造型の制作会社に勤務していた池田氏が、ゲームをつくりたいという昔からの夢を実現するために、同僚だった寺島氏と中塚氏を誘って応募したことがきっかけです。寺島氏は学生時代に彫刻を学んでおり、就職後も趣味で音楽やマンガを制作。中塚氏は受賞歴多数の銅版画家。根っからのクリエイター3人が集い、プロジェクトはスタートしました。

とはいえ、ゲーム制作はまったくの素人。小島氏のアドバイスや制作会社の協力により、すこしずつアイデアを形にしていったそう。「戦艦を切り落とす」というコンセプトのもとに苦労を重ねてつくられたプロトタイプ版『butterfly』は、本格SF風な世界観だったそう。3人はこれにかなりの手応えを感じていましたが、社内会議での反応はイマイチ。さらに、PSP®用ソフトとしてのデータ容量の都合上、巨大戦艦のデザインをあまり複雑な模様にはできないことも判明し、大幅な世界観の変更を余儀なくされたとのことです。

0205HB-03-RIMG0450.jpg プロトタイプ版から完成までの制作秘話も飛び出しました。

そこで考案されたのが、パターンの繰り返しでデザインできる「パッチワーク風戦艦」でした。これにより、ゲーム全体の世界観も固まり、童話のような絵柄が特徴的な『100万トンのバラバラ』は誕生したのです。

発売から約1年が経ち、3人は当時の心境を以下のように振り返りました。

「紆余曲折を繰り返しての大変な作業で苦労ばかりでしたが、とても充実していました」(池田氏)

「ゲーム制作とは無縁の仕事をしていたので、やることすべて初体験。とにかく刺激的でした」(寺島氏)

「世界観の変更によってデザイン画を何度も描き直すという作業は、絵描きとしてはしんどい部分も多かった。それについていこうと必死でした」(中塚氏)

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そんな彼らは、すでに新作に取りかかっているそうです。「彼らの机には粘土や色鉛筆が転がっていて、手がいつも汚い(笑)。かなりゲームデザイナーらしくない人たちで、だからこそおもしろいものがつくれるのだと思います」と小島氏が語るように、これからも意欲的なタイトルを発表してくれそうです。

■第14回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門審査委員会推薦作品
http://plaza.bunka.go.jp/festival/2010/recommend/entertainment.php

■100万トンのバラバラ
http://www.jp.playstation.com/scej/title/100mt/

■第14回 文化庁メディア芸術祭
The 14th Japan Media Arts Festival*
http://plaza.bunka.go.jp/festival/

会 期 : 2011年2月2日(水)〜2月13日(日) 10:00〜18:00
金曜は20:00迄(入場は閉館の30分前)
会 場 : 国立新美術館(東京・六本木)※サテライト会場:東京ミッドタウン
観覧料 : 無料
主 催 : 文化庁メディア芸術祭実行委員会(文化庁・国立新美術館・CG-ARTS協会)
お問合せ : CG-ARTS 協会「文化庁メディア芸術祭事務局」フリーダイヤル 0120-454-536
http://plaza.bunka.go.jp/q/

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