Artist Talk / Jury Recommended Work "Busy Rider" in Manga Division
日時:2月9日(水)13:00-13:45 (国立新美術館2F企画展示室2E ソーシャル・メディア・ラウンジ)
出演:SEAH Ze Lin(マレーシア)

今回のマンガ部門で唯一の海外作家である審査委員会推薦作品『Busy Rider』のSEAH Ze Lin氏による作家トークが行われました。もともと参加の予定ではなかったのですが、来日の機会に合わせて急遽行われることになりました。
SEAH氏はクアラルンプールのアーティストで、大学講師をしながら絵画とコミックの制作を行っています。絵画作品としては、油彩、木炭、コラージュなど様々な素材や技法を使用して制作した作品が紹介されました。さらに版画や玩具にコラージュを施した立体作品なども紹介。また、版画で作ったマンガ作品をウェブサイトで公開しているそうです。SEAH氏が制作するマンガは、マレーシアで行われた選挙をモチーフにしたり、マレーシアの状況を揶揄したものなど、批判精神旺盛な作品が多いようです。
絵画とマンガを制作する際の違いについて尋ねたところ、「絵画はシーンを切り取るのに対して、マンガはストーリーを作ることに意識が向きます」というSEAH氏。細かい説明やキャラクター設定に重点を置くよりも、ポイントポイントを伝えるため、アクションや動きをフォーカスしているコマが多いのが特徴だそうです。

今回審査委員会推薦作品に選ばれた『Busy Rider』は、映画『イージー・ライダー』から着想を得て、作品のタイトルを付けたそうです。中を見てみると、日本のマンガとはページの開き方が逆になっていることに気づきます。マレーシアでは左から右へ読み進むようですが、SEAH氏は日本のマンガの影響も取り入れて、左から読み進みつつも、各ページでは右側から読んでもらえるよう誘導するために矢印をつけるなど、鑑賞方法をミックスさせているのが特徴的です。
内容については、1日1ページ、その日に自分が見たものや自分の行動からトピックを選んでマンガを制作しているとのこと。モチーフとしてカエルが登場していますが、これは、選挙の過程で自分の政党をすぐに変えてしまう人々の状況をfrogと呼ぶことから取り上げたそうです。このように、様々な政治的問題を取り上げた展開が多いというSEAH氏。驚いたことに、薄い紙なのでコピー機ではソートできず、コピーしたページをすべて手作業で綴じて1つ1つ製作したそうです。
© SEAH Ze Lin
マンガ部門審査委員会推薦作品『Busy Rider』
マレーシアでは、以前は中国語のマンガが台湾から輸入されてはいましたが、コピーでしか読むことができなかったそうです。約10年前に日系の大型書店が参入し、現在では日本のマンガはすっかりポピュラーなものとなっているそう。現地で人気の日本のマンガ作品について尋ねると、『ナルト』『ワンピース』『20世紀少年』などが有名だということでした。
今後は、これまでにない新しい手法を使ってマンガを制作してみたいと語るSEAH氏。
メディア芸術祭に参加した印象として、「色々な作品があるので刺激になる。いままでの既存の手法だけではなく新しい技術を使って何かを作りたいという気にさせられる。」と語ってくれました。
■第14回文化庁メディア芸術祭 マンガ部門 審査委員会推薦作品
http://plaza.bunka.go.jp/festival/2010/recommend/manga.php
■第14回 文化庁メディア芸術祭
The 14th Japan Media Arts Festival*
http://plaza.bunka.go.jp/festival/
会 期 : 2011年2月2日(水)〜2月13日(日) 10:00〜18:00
金曜は20:00迄(入場は閉館の30分前)
会 場 : 国立新美術館(東京・六本木)※サテライト会場:東京ミッドタウン
観覧料 : 無料
主 催 : 文化庁メディア芸術祭実行委員会(文化庁・国立新美術館・CG-ARTS協会)
お問合せ : CG-ARTS 協会「文化庁メディア芸術祭事務局」フリーダイヤル 0120-454-536
http://plaza.bunka.go.jp/q/

