【協賛事業】 先端技術ショーケース「かえり道のデザイン -アートと技術、社会をつなぐしくみ-」(1)

日時:2月9日(水)16:00~17:30(国立新美術館3F講堂)
出演:原島 博(CREST研究総括、東京大学名誉教授)、小早川 真衣子(情報デザイン、多摩美術大学)、八谷 和彦(メディアアーティスト、東京藝術大学)、渡辺 富夫(メディア技術、岡山県立大学教授)

sentan01.jpg 左から、原島氏、小早川氏、八谷氏、渡辺氏

第14回文化庁メディア芸術祭の展覧会場出口近くには、来場者の感想や意見が貼り出された「かえり道のアートスペース」が併設されました。これは科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業(CREST)が主導し、鑑賞者による表現とフィードバックの還元を目的として実験的に行われた試みです。「観せる側」から「観る側」への一方向性となりがちな美術館にこれから求められるのは双方向性であり、そのためにも「かえり道」をどうデザイン、提案するかが問われています。そこで「かえり道のデザイン -アートと技術、社会をつなぐしくみ-」としてシンポジウムが行われました。

まずは司会を務める原島氏から、このプロジェクト誕生の経緯説明がありました。この「かえり道のアートスペース」は、CRESTが研究のモデルを考える目的として開催した「予感研究所」がベースになっています。従来の研究モデルは、学会で発表されてから産業界で反映され、社会に流通する=「リニア分業モデル」が一般的でした。しかし今後は研究のプロセス段階から積極的に成果を社会に発表し、得られたフィードバックを研究に生かすことを目指すべきだという考えが、その根底にはあるそうです。

sentan02.jpg 「かえり道のアートスペース」会場のようす

この「オープンスパイラルモデル」を普及させる意味もあり、研究途中のプロジェクトを多数発表した「予感研究所」が開催されました。その会場では、来場者による感想を壁に張りだす「予感ウォール」が登場。これが「かえり道のアートスペース」のベースになっています。

次に、本プロジェクトの企画・運営を手がける小早川氏から詳細説明がありました。「かえり道のアートスペース」の目的は、アートコミュニケーションの促進、つまりアーティストの表現を通して対話を創出すること。体験の流れは「表現カードに気持ちや感想を書く」「カードをスキャナーで取り込む」「壁面にカードを張る」「スクリーンに表示されたカードを見る」の4プロセス。データ化されたカードは内容に沿ってスタッフがタグづけを行い、関連のあるカードと共に会場スクリーンに表示される仕組みです。来場者の多彩な声を可視化することで作家へのフィードバックとなり、来場者の表現の場としても機能します。

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「みなさんは展示を見た直後で気持ちも高ぶっているので、イラストや言葉などいろいろな表現をしてくださいます」と小早川氏。「来年は応募したい!」「5年以内にノミネートしたい!」など、展示参加への熱意が込められたものも多く寄せられました。自分のカードがスクリーンに映し出されるのを楽しみに待っている小学生の姿なども見られ、小早川氏もとても嬉しく感じたそうです。このシンポジウムの直前、開催から1週間の時点での集計で、カードは3,250枚、659種類のタグが生成されていました。

後半は、今回の試みについて、出席者それぞれの立場や経験をふまえた議論が展開されます。

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